所長あいさつ


人間科学研究所所長
村本邦子

 立命館大学人間科学研究所は、人間と社会に関わる総合的かつ学際的な研究を行うことを目的として、2000年4月、衣笠キャンパスに設立されました。”対人援助”(Human Service)に焦点を当て、従来の学問分野の枠を超えた総合的かつ学際的な研究を展開してきましたが、現在ではさらに一歩進め、異なる学問や専門分野の知識・手法を融合させ、新たな理解や洞察を得ることを目指す学融的研究にも取り組み、基礎研究や研究手法はもちろんのこと、具体的な社会課題の解決に向けた新たな方法論を模索し、その社会実装にも取り組んでいます。

 当研究所には50名以上の専任教員・研究員が参画し、約30の研究プロジェクトが進行中です。これらのプロジェクトは、行政、企業、NPO、コミュニティ組織などとの産官学民連携のもと、福祉・心理・医療現場の専門職、教育現場の先生、刑事司法機関の職員などの対人援助実践者や地域住民と協力しながら、地域や社会に根ざした研究活動を展開しています。また、グローバルなネットワークを活用し、アジア、オーストラリア、南北アメリカ、ヨーロッパの研究者や実践家との国際共同研究も積極的に進めています。これらの研究活動には、大学院生や若手研究者も多く参加しており、次世代の国際的な研究者育成にも貢献しています。

 今日の社会では、新自由主義の広がりによる格差や貧困、ジェンダーギャップ、大規模災害やCOVID-19の世界的流行、少子高齢化、日常における暴力やケアの問題、戦争や紛争、環境問題など、ますます多くの課題が複雑化しています。当研究所では、歴史や先達の知識に基づき人間理解を深めつつ、今まさに求められている社会のニーズや情勢に柔軟に対応するための学融的研究を推進し、様々な社会課題の解決、人々のウェルビーイングや平和に寄与することを目指していきます。当研究所の多様な研究プロジェクト・活動に対する皆様のご理解とご支援に感謝するとともに、これからも引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

歴代研究所長

2024年度~ 村本邦子(人間科学研究科)
2021年度~2023年度 矢藤優子(総合心理学部)
2018年度〜2020年度 松田亮三(産業社会学部)
2015年度〜2017年度 松原洋子(先端総合学術研究科)
2011年度〜2014年度 松田亮三(産業社会学部)
2004年度〜2010年度 望月昭(文学部)
2002年度〜2003年度 佐藤嘉一(産業社会学部)
2001年度 松田隆夫(文学部)
2000年度 斉藤稔正(文学部)

刊行物

立命館人間科学研究

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