「統合教育」を巡る現代史
代表者: 立岩真也 (先端総合学術研究科 教授) 研究期間: 2015/07 - 2016/06
1970年代以降、各地に起こった障害児の就園・就学運動についての具体的な事実を明らかにする研究は意外なほどなされていない。そこには、政治的な対立があって、本来教育学史的な研究がなされてよかったにもかかわらず控えられてきたという事情があるかもしれない。しかしまず、何がそこにあったのかを記録・整理しそこから何が考えられるか、そうした運動・議論が知られるようになって約50年を経たこの現在は、その作業をおこなう最後の機会であるともいえる。
とくに関西で起こった運動は部落解放運動など他の社会運動との関係がありつつも、各地域での学校や地方行政との直接的・個別的なやり取りの中で獲得された部分があり、そこで何があったのかを知るには、ごく限られた媒体と当時を知る人たちの証言によるしかない。この間、研究メンバーらは希少な資料を寄贈されるなど、当時の資料は次第に集まりつつある。収集できた資料のデータ化を行い、行ってきた、またこれから行う聞き取りのデータ化によってその流れを示す資料を作成する。
参加研究者
- 立岩真也 (先端総合学術研究科 教授)
主な研究資金
2015年度 人間科学研究所 萌芽的プロジェクト研究助成プログラム