民事責任における損害論の法心理学的再構築 ―多様な被害回復のための司法臨床的支援を目指して

代表者: 松本克美 (法務研究科 教授)   研究期間: 2015/07 - 2016/03

 本研究プロジェクトは、不法行為を理由とする民事損害賠償請求権における損害論を法心理学の観点から再構築することによって被害回復支援のための司法臨床的理論枠組みを開発することを目的としている。具体的には、2013年7月に発覚したカネボウ美白品化粧品による白斑被害における損害論に焦点を当てる。2万人近いといわれる被害者の一部は全国で当該化粧品の製造メーカーを相手取って民事損害賠償請求訴訟を提訴しているが、そこで大きな争点となっているのは、白斑被害によってどのような損害が原告に生じたと言えるのか、また、それをどのように金銭評価するのかという損害論の問題である。美白化粧品による白斑被害については、美しくなるためにメーカーを信頼して購入した化粧品により白斑被害にあってしまったという心理的なショックや、白斑被害により自己評価や対人関係への消極性、回避などの心理的負担なども生じているのであり、被害者の心理的特性に即した損害把握と金銭評価が求められているのである。

関連する研究拠点

参加研究者

  • 松本克美 (立命館大学大学院法務研究科教授、研究総括)
  • 木戸彩恵 (立命館大学・衣笠総合研究機構・専門研究員、美白化粧品被害調査)
  • 金成恩 (立命館大学・衣笠総合研究機構・専門研究員、韓国調査設定・通訳)

主な研究資金

2015年度 人間科学研究所 萌芽的プロジェクト研究助成プログラム


刊行物

立命館人間科学研究

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