司法制度に関する意識についての日本・スウェーデン比較検討 (司法制度への信頼感プロジェクト)

代表者: 中田友貴   研究期間: 2023/4 -

日本の一般市民は他国と比較して、刑事司法に関して―特に警察や制度に対して、非常に高い信頼
感が見られる。森鴎外の『最後の一句』での「お上の事には間違いはございますまいから」というセリフにもあるように、奉行=行政側の人間が裁判を行い、それが正しいものである、あるいは、それが正しくなくても、糺す人物が行政側にいるという信念が、日本の市民にあることが文化として指摘されることもある。申請者は、大学生に対して重大な犯罪と軽犯罪や交通ルールに対しての自他の意識についてインタビューを行った。その結果においても警察に対する高い信頼感が示唆された。日本と同様の犯罪率のスウェーデンでも,警察に対して高い信頼感が示されている。
Malmborg(2022)は、同程度の犯罪率であるスウェーデンと日本で警察の信頼感について質問紙調査を行った。その結果,制度は大きく異なるものの、どちらも高い信頼感を示していた。この結果から遵法意識の類似性に起因することを示唆している。
一方で警察以外の刑事司法制度への信頼感から警察の信頼感が形成されている可能性がある。そこ
で本研究では、スウェーデン人と日本人を対象に、警察への信頼感について遵法意識と他の司法制度への信頼感の関連の検討を行う。

研究目的

以上より、本研究ではスウェーデン人と日本人を対象に警察への信頼感について遵法意識と他の司
法制度への信頼に差異があるのかを明らかにすることを目的とした。そのためにまず研究(1)では、一般人に対して警察への信頼感について遵法意識と他の司法制度への信頼感について質問紙を行う。また研究(2)では刑事司法制度に関連するキーワード検索により Twitter でのツイートを取得し、テキストマイニングにより、スウェーデンと日本における社会的認識の差異について検討を行う。

参加研究者

  • 坂上友介 (立命館グローバル・イノベーション研究機構 専門研究員)
  • Sara Landström (Gothenburg 大学心理学部・教授)
  • 高橋典寿 (理工学部・助教)
  • 佐藤伸彦 (立命館大学大学院 先端総合学術研究科・研究指導助手)
  • 武田悠衣 (立命館大学大学院 人間科学研究科・博士課程後期課程)
  • 杉本菜月 (立命館大学大学院 人間科学研究科・博士課程後期課程)

主な研究資金

2023年度 人間科学研究所 萌芽的プロジェクト研究助成プログラム

関連タグ

国際比較

刊行物

立命館人間科学研究

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