社会的養護のアフターケアに関する研究会

代表者: 石田 賀奈子   研究期間: 2022/4 -

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 申請者は今年度から3年間の計画で「幼少期逆境体験を持つ児童の成人後のリスクを軽減するために、児童養護施設にはどのような専門的機能の高度化が求められるか」、を問いとして科研費に取り組む。当プロジェクトでは今年度は、科研費の研究計画と連動させながら主に以下の二つの研究に取り組む

1.児童養護施設におけるPCEs尺度の開発に向けた研究会の開催(石田・大澤)

Bethellら(2019)が示す「ポジティブな子ども時代の体験(Positive Childhood Experiences, PCEs)」は成人期の精神および人間関係の健康と関係がある。また、ACEsとは独立して作用することが明らかとなってきている。PCEsは家庭の中、あるいはコミュニティの中での子どもの安心と安全の感覚を高めるための7項目からなっている。本研究会では社会福祉政策評価の専門家や児童養護施設職員との研究会を通して、7項目の妥当性の検討を行い、社会的養護の現場におけるPCEsの提供のあり方を検討する。

なお、児童養護施設等社会的養護を経験した若者については、ヤングケアラー研究の知見と不可分である。そこで、社会学研究科の斎藤真緒教授(家族社会学)の助言を仰ぐ。

2.幼少期に逆境体験をもちながら成人して家庭を持ち、「産む家族」を構築したものへのアフターケア(坪倉)

 児童虐待の重大事例の報告には、どのような親が子どもに虐待を加えるのかにも関心が向けられ、被虐待経験として幼少期の養育歴がリスク要因の一つとされる。しかし、子ども虐待は、身体的、精神的、社会的、経済的等の要因が複雑に絡み合って起こると考えられ、またそれらの要因を多く有しているからといって、必ずしも虐待につながるわけではない。本研究では、児童養護やアフターケア事業者から紹介を受けた社会的養護経験者の女性を対象にインタビュー調査を実施し、妊娠・出産を経験した児童養護施設退所者の支援の実態と課題を明らかにする。近年、逆境体験を乗り越えるための「ポジティブな子ども時代の体験(Positive Childhood Experiences, PCEs)」が明らかにされつつある。得られた知見をもとに、日本の社会的養護が子どもに提供できる「ポジティブな子ども時代の体験(Positive Childhood Experiences, PCEs)」を明らかにし、逆境体験の中で育つ子どもが親となっていく発達の過程を支援する枠組みのあり方を検討する。なお、研究課題2については坪倉が助成金申請し採択された有園博子基金の助成金も併せて活用する。

参加研究者

  • 石田賀奈子(産業社会学部・准教授)
  • 斎藤真緒(産業社会学部・教授)
  • 坪倉浩美(人間科学研究所・客員協力研究員)
  • 大澤ちひろ(人間科学研究所・客員協力研究員)
  • ホウ ギョウウ(社会学研究科博士課程前期課程)
  • 野崎 祐人(京都大学大学院人間環境学研究科博士課程後期課程)

主な研究資金

2022年度人間科学研究所 重点研究プログラム


刊行物

立命館人間科学研究

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