アドバンスト研究セミナーVol.6 「規範理論と実証理論の対話に向けて-リバタリアン・パターナリズムを題材に-」のご案内
概要
- 日時:2014年7月4日(金)16:30〜18:30 学而館2F第3研究会室
- “報告1”:「リバタリアン・パターナリズムにおけるパターナリズム概念をめぐって(仮)」
若松 良樹(学習院大学法務研究科 教授) - “報告2″:「ナッジ政策の検証―臓器移植問題を実験ケースとして―(仮)」
清水 和巳(早稲田大学政治経済学術院 教授)
宇田川 大輔(苫小牧駒澤大学国際文化学部 専任講師) - 司会:井上 彰(立命館大学大学院先端総合学術研究科 准教授)
- チラシダウンロード [PDF形式:232KB]
共催
- 立命館大学人間科学研究所
- 二十一世紀文化学術財団学術奨励金「リバタリアン・パターナリズムは堅牢か?-規範理論と実証理論の対話のために-」(研究代表者:若松良樹、2014年度〜2015年度)
報告者プロフィール
- “若松良樹” :学習院大学法務研究科教授。法哲学、特に現代正義論を専門とされ、「法学と経済学との関係」等をテーマに研究をされています。主著に『センの正義論』(頸草書房、2003)等。
- “清水和巳”:早稲田大学政治経済学術院教授。応用経済学を専門とされ、近年の研究テーマは「人間の政治経済行動の進化論的基礎」「政治経済学方法論」等。主著に『入門政治経済学方法論』(東洋経済新報社, 2008.河野勝との共編著)等。
- “宇田川大輔”:苫小牧駒澤大学国際文化学部専任講師。専門は理論経済学・実験経済学・社会的選択理論。研究テーマは「分配問題と社会制度の規範的・実験的分析」。主著に「生死問題におけるサイズ効果―心の進化的基盤の検討―」(『早稲田政治経済学雑誌』370, 2008. 清水和巳との共著)等。
企画者からのメッセージ
本研究セミナーでは、C.サンスティーンとR.セイラーによるリバタリアン・パターナリズムを題材に、実験・調査研究の成果について研究報告を行います。
リバタリアン・パターナリズムとは、人々の選択の自由を尊重しつつも、人々の選択を厚生改善の方向へと誘導(ナッジ)する政策を構想する規範理論上の立場であり、誘導(ナッジ)に際しては行動経済学の知見を利用します。リバタリアン・パターナリズムは、暗黙のうちに、「人々は誘導されたとしても、自分にとって結果がよければ、当人の厚生は向上する」という想定を行っています。しかし、この想定が妥当であるとしてもそれは一回限りのものではないか、誘導されていたことを知らされたならば人々の厚生は減少し別の行動様式を模索するのではないか。すなわち、リバタリアン・パターナリズムは秘教的な性格を有しており、人々に誘導の事実を知られた途端にその効果は薄れるのではなかろうか。もしそうであるならば、誘導という手法は、人々の行動の公共的なコントロールの手段としてそれほど有効ではないことになります。本研究セミナーでは、この仮説を実験により検討し、その成果の一端を明らかにすることを目的とします。
関心ある方のご参加をお待ちしています。(井上彰)
人間科学研究所アドバンスト研究セミナー 今年度のスケジュール
–Vol.4. 6/5 (木)15:00-16:30 「社会福祉の国際比較研究の方法をめぐって-ソーシャルワークのレジーム類型を中心に-」
–Vol.5. 6/28(土)14:00-16:00 「障害のある児童・生徒の継続的支援のための情報共有の仕組みについて」
- Vol.7. 7/17(木)15:00-18:00 「供述分析法セミナー」
※後期の予定については、HP上で改めてご案内いたします。
※2013年度開催のVol.1〜Vol.3の様子はこちら※Vol.4「社会福祉の国際比較研究の方法をめぐって -ソーシャルワークのレジーム類型を中心に-」の開催報告はこちら(新しいタブまたはウインドウで開きます。)