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M&A(マインドフルネス&アクセプタンス)チーム



  本プロジェクトは,対人(臨床的)援助のボトムアップ型の知識創造を目指すために行うため,心理,教育,福祉,医療の場で近年使用されるようになった「マインドフルネス&アクセプタンス」という語で象徴されるような内容を扱います。マインドフルネスとは,気づきと注意,今ここへの注目,知覚しうる刺激一つひとつに対する感受性,自分と外的世界とのつながりに対する気づき,そして現在経験している「マインドレス」な強迫観念からの逃避衝動がないといったことを一般的に指します。また,アクセプタンスとは,自分自身の個人的な体験に対する思考,感覚,情動,覚醒の体験,願望や欲望など,個体内に生じる様々な刺激を受け入れる(または受け入れない)という行為のことを指すのが一般的です。このような「古くて新しい」概念に対する検証作業を,行動分析,精神分析,ホリスティック臨床教育(人間性心理学を含む)という,それぞれが「ねじれの位置」にあると考えられている諸アプローチから学融的に探究されます。扱う内容としては「一人称の科学」(a First Person Science; Gendlin & Johnson, 2004)に関する検討からスタートし,プラグマティズム,ホーリズム,スピリチュアリティといった哲学的次元から,身体,イメージ,センス,プライベイト・イベントといった具体的な援助手続き的な次元までを網羅します。特に,精神内的なものとみなされがちな「マインドフルネス&アクセプタンス」をより社会的関係の中へ「開いて」いくことを主眼とし,新たな臨床人間科学の基礎を検証することを目的としています。

最近の活動状況
(2008年6月~9月)
 年度末の本プロジェクトの発表に向けて,各メンバーの専門領域に関する研究を推進した。本プロジェクトの代表の武藤が9月末に帰国し,年度末シンポへ向けて具体的に始動することとなった。