所長挨拶 人間科学研究所創設20年周年を迎えて
所長 松田 亮三
立命館大学人間科学研究所は、2020年に創設20周年を迎えました。
本研究所は、医療や福祉といった確立した領域だけでなく、教育、司法、家族等、幅広い事柄に関わる支援を中心に、人間と環境に関する幅広いテーマについて研究を推進してまいりました。
この20年は、日本・世界が激しく揺れ動いた時期であり、人間科学にもそこから新たな課題が次々と突きつけられてきました。現在世界を揺るがしている新型コロナウイルス感染症とそれへの対応も、そこに含まれております。
コロナ禍の真っただ中で20周年記念事業を検討するあたって重視したことは、社会の課題に対して学際的なそして学術の融合をめざして取り組むという研究所の理念を改めて振り返ることでした。
さまざまなアイデアが出されましたが、創設時の議論を振り返りつつ、次の20年を展望する議論を組織すること(ウェブ特集、20周年記念総会)、解決につながる社会実装に向けて研究成果を広く社会に発信すること(連続講座「危機と人間科学」)、そして研究所に関わった方々からのメッセージをいただき、新たな研究展開の糧としていくことが企画されました。
なお、研究所では昨年度から将来構想を検討していますが、そこではグローバル社会を射程に入れ、アジア太平洋における人間科学研究の拠点群を構築していく意義など、意欲的なアイデアが出されています。こうした議論をふまえた、新たな挑戦に向けて準備をすすめているところです。
もとより人間科学の研究は、研究所だけで進展するものではなく、研究にご協力いただく参加者のご協力とともに、取り組む課題に関わる方々のご支援が不可欠です。
今後とも、ご支援、ご協力を賜りますことを、心よりお願いいたします。
(2020年12月14日記)