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研究会などの催し
 
 

第10回CEHSOC定例研究会

「Medicina Nova −新しい医療を目指して−」

田中祐次氏
(東京大学医科学研究所客員助手)

2007年6月23日(於 ぱるるプラザ京都4階第1研修室)

2007年6月23日に第10回CEHSOC定例研究会が開催されました。報告者は、東京大学医科学研究所客員助手の田中祐次さんです。





参加レポート

「Medicina Nova(患者学)−新しい医療を目指して−」


患者や利用者の権利については、近年日本でも多くの議論がなされるようになり、地域の市民団体や病院内の患者会などの活動も広がりをみせています。今回の研究会では、「もも先生」の愛称で親しまれる田中氏を招き、患者会「ももの木」やご自身の活動の経緯を中心に、新しい医学「Medicina Nova」が目指すものについて報告していただきました。

患者会「ももの木」の活動では、ただ集まって楽しくおしゃべりすることを何より大切にしています。報告者自身も、患者さんとの何気ないおしゃべりや日常のかかわりが「Medicina Nova」を考えるきっかけになったということをエピソードを交えて話してくださいました。患者同士の何気ないおしゃべりの中にこそ、患者主体の医療を考える重要なテーマがいくつもあるけれど、それは記録されることはありません。報告者は、既存の「患者学」ではなく、「Medicina Nova」を学問として体系化しようと試みています。患者や家族のこれら「暗黙知」を言語化することで形式知化し、そしてそれを集合知化するという手法です。

暗黙知を言葉での表現に転換していく作業は実際にどのようなプロセスで行われるのか、また研究者の資質やスタンスも重要になってくると思われ、だれがどのようにその作業を行っていくのか、今後の学問としての「Medicina Nova」の展開にも関心を持ちました。

(文責:立命館大学大学院社会学研究科 研修生 清水誓子)


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