ホーム概要研究会などの催し研究成果ニュースレターメーリングリストリンク
研究会などの催し
 
 

第7回CEHSOC定例研究会

「要援助高齢者の援助拒否・社会的孤立・潜在化問題に関する調査報告」

小川栄二氏
(立命館大学産業社会学部教授)


2006年12月1日(於立命館大学衣笠キャンパス 創思館4F 407号)

2006年12月1日に第7回CEHSOC定例研究会が開催されました。報告者は、立命館大学産業社会学部の小川栄二教授です。小川栄二先生を中心とした研究会が2005年冬に行った高齢者の援助拒否・社会的孤立・潜在化問題に関する調査の結果を、ご報告いただきました。

第1回CEHSOC定例研究会

 

参加レポート

近年、高齢者の孤独死の報道をよく耳にしますが、援助拒否や社会的孤立などの高齢者の実態についてはほとんど知られていません。報告者は、このように社会的に知られていない状況を「潜在化」と捉え、高齢者の深刻な生活実態を明らかにするために、介護支援専門員(ケアマネージャー)を対象に、2005年冬にアンケート調査を行いました。今年(2006年)7月には、調査報告書(第1次)を公表しており、今回はその報告書に沿ってご報告いただきました。

調査ではまず、援助困難ケースの経験の有無を尋ねていますが、調査対象者の72.6%が経験「ある」と回答しており、ほとんどのケアマネが経験していることが明らかになりました。また、そのような困難ケースには、様々な種類がありますが、「日常生活の内容が極端に悪化していた例」が最も多く、自由記述で示された内容は想像を絶するものでした。

また、高齢者の拒絶には、本人の援助拒否だけでなく、家族によるサービス拒否もあることがわかりました。そして、このような拒否の経験は、調査対象者の61%にあるということも注目されます。

さらに、ケアマネージャーの活動の困難性や過酷な労働状態について、また地域の高齢者サーポートネットワークの形成の困難さについても、調査で明らかにされました。

今回の報告では、高齢者の過酷な生活実態を知ることができ、あらゆる角度からこの問題に取り組むことの必要性を実感させられました。

(文責:立命館大学人間科学研究所 棟居徳子)

過去の定例研究会

 

   

©2005 CEHSOC All rights reserved.