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研究会などの催し
 
 

第3回CEHSOC定例研究会

「shared decision makingを支える医師の能力養成の現状と課題」

藤崎和彦氏
(岐阜大学医学部医学教育開発研究センター)


2006年2月3日(於キャンパスプラザ京都 第4演習室)

2006年2月3日にCEHSOC定例研究会の第3回目が開催されました。報告者は岐阜大学医学部医学教育開発研究センターの藤崎和彦先生です。いま、医師のコミュニケーション能力養成に力点を置いた医学生への教育が注目されています。この教育が必要とされるに至った背景と現状(教育現場での実践)、そして今後の課題について、報告していただきました。

第1回CEHSOC定例研究会

 

参加レポート

ロールプレイや模擬患者など、シミュレーションを中心とした医学生のコミュニケーション教育の現状と課題を、VTRを交えてわかりやすく報告していただいた。

Shared decision makingとは、患者と医師とが共に悩み、考えながら意思決定を行うプロセスである。医療におけるコミュニケーションは、このような患者と医師との対話を重視した医療を実践するための一つの技能として位置づけられるようになった。シミュレーションを用いたコミュニケーション教育は、患者にとって安全であり、間違いが許されるという点では学生にとっても安心して学ぶことができるなど、医学生と患者、両方にメリットがあるということを知ることができた。OSCEという全国共用試験が導入されて、医学生のコミュニケーション能力が評価されるようになったものの、なぜ共感が必要か、なぜ患者の背景を理解する必要があるのかなど、最も重要な点を学生が理解しないまま、マニュアル的な対応を覚えてしまう問題があるということは残念であると感じた。報告後は、参加者それぞれの視点から意見が交換され、時間を延長して充実した議論が行われた。模擬患者は、私たち患者や市民が医療に参加するための一つの手段である。患者や市民の意見が反映される開かれた医療の実現へ向けて、今後の発展を期待したいと感じた。

(文責:立命館大学大学院社会学研究科 松瀬房子)

過去の定例研究会

 

   

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