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がん患者大集会 参加レポート



参加レポート

2007年8月26日(日)に広島で行なわれた、がん患者大集会に参加しました。会場の広島国際会議場には、患者・体験者・家族を中心に、医療・福祉に携わる人びと、行政関係者、そしてボランティアなどを含め、総勢2000名の方が全国から集まりました。

この大集会は、「変えよう日本のがん医療、手をつなごう患者と家族たち」をメインテーマに、これまでに大阪(2005年)、東京(2006年)で開催されており、第3回目になる今回の大集会では、「緩和ケア」と「心のケア」を主要課題として掲げました。

プログラムの前半では、患者・体験者・遺族など当事者の立場から経験と思いを伝える講演と、国立がんセンターの心のケア研究(サイコオンコロジー)や広島県の緩和ケア支援センターの取り組みが報告されました。休憩時間には、自身も闘病生活の経験があるミュージシャンのあどRun太氏が歌と漫談で会場を沸かせ、参加者も笑いと拍手で参加していました。

後半では、ジャーナリストで自身も患者である本田麻由美氏が、がん対策推進協議会委員として国の政策の動きについて報告した後、多彩なパネリストによるシンポジウムが行なわれました。

最後には出演者とボランティアスタッフ全員がステージに上がり、その中心で支援機構の理事長である俵萠子氏がアピール文を読み上げ、会場が一体となる感動的なフィナーレでした。共感と連帯がよりよいがん医療への改革のエネルギーである、という主催者の一番のねらいを感じました。

このような非常に大規模かつ関係各機関の協力の上に成り立つ集会の開催には、がん対策基本法の制定や、患者会の活動の広がりなど、近年のがんをめぐるさまざまな状況や流れが背景にあります。主催者であるNPO法人がん患者団体支援機構は全国のがん患者団体を支援する組織であり、このイベントも全国の76団体が共催として名を連ねていました。

今回はテーマも出演者も会場の規模も非常に大きな集会であり、さまざまな立場で関わる多くの人々がともによりよい医療を目指していくという強い思いを感じることができました。一方で、出演者の何人かも指摘していたように、まだつながっていない・つながろうとしない・つながれない人びとの声をどう拾っていくのかということも今後課題となるだろうと思いました。

また、制度、組織、当事者・市民の参加など、切り口によって論点が異なります。今後、CEHSOCで取り上げていく上では、まずこれらの整理が必要になると思います。そして、定例研究会などを通して、関西の患者会の方に日常的な活動の様子などを伺っていきたいと思います。             

文責:清水誓子(立命館大学大学院社会学研究科)

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