所長あいさつ


人間科学研究所所長
矢藤優子

 人間科学研究所は,「教育科学研究所」(1990年設立)を前身とし,広く人間と社会に関わる総合的・学際的研究を行うことを目的として2000年に設立された研究所です。心理学,教育学,社会学,福祉学,法学,医学など多様な学問領域(学範=ディシプリン)に関わる研究をすすめています。

本研究所の特徴は,「対人援助」(Human Services)に関する理論知と実践知の有機的な融合に向けて,個別の学問領域での進展やそれらの共同(学際的研究)だけでなく,具体的社会課題の解決のために,新しい方法論を創造しつつ新しい研究を開拓する「学融的研究」とその社会実装に取り組んでいることです。また,現実の課題に直結する応用研究だけでなく,さまざまな課題に共通する基礎研究,研究方法などを含む理論的研究についても取り組んでいます。

 本研究所では50名以上の専任教員・研究員の参画のもと,30以上の研究プロジェクトが進められており,行政,企業,NPO,コミュニティ組織などとの産官学民連携とともに,中学・高校の教諭,刑事司法機関の職員,福祉・心理の専門職,ソーシャルワーカーなどの対人サービス実践者や地域の方々と協力し,地域や社会に根差した研究活動を進めています。同時に,研究機関として培ってきたグローバルなネットワークを活用して,アジア,オーストラリア,南北アメリカ,ヨーロッパの研究者や実践家および機関・団体との国際共同研究も精力的に進めております。これらの研究活動には大学院生や若手研究者も多く参加し,次世代の国際的研究者育成の場としても機能しています。

 近年,人間と社会に関わる研究課題はいっそう複雑化し,拡大しています。COVID-19の世界的流行は私たちの生活に大きな影響をもたらしたと同時に,経済格差やジェンダーギャップなど,既存の問題をさらに増幅する結果となりました。SDGs課題の解決や目標の達成に向けた取り組みも重要です。本研究所では,大規模な災害,生活の困難,介護,医療,子育て,教育,就労,紛争といったさまざまな場面において,まさに今求められている社会的ニーズや社会情勢に柔軟に対応した総合的・学際的研究を推進し,諸課題の解決を目指しています。本研究所の多様な研究プロジェクト・事業に対して,引き続きご理解・ご支援を賜りますよう,お願い申し上げます。

歴代研究所長

2021年度~ 矢藤優子(総合心理学部)
2018年度〜2020年度 松田亮三(産業社会学部)
2015年度〜2017年度 松原洋子(先端総合学術研究科)
2011年度〜2014年度 松田亮三(産業社会学部)
2004年度〜2010年度 望月昭(文学部)
2002年度〜2003年度 佐藤嘉一(産業社会学部)
2001年度 松田隆夫(文学部)
2000年度 斉藤稔正(文学部)

刊行物

立命館人間科学研究

おすすめ


facebook

メールマガジン登録

リンク

ASHS 対人援助学会

生存学研究所

アクセシビリティ方針