高次認知過程における潜在性と意識的コントロール II

代表者: 服部雅史 (総合心理学部 教授 )研究期間: 2015/04 - 2020/03

 心理学において,意識と無意識の問題は古くて新しい問題です。私たちは,自分の心が意識の支配下にあり,自由意志が自らをコントロールしていると考えています。しかし,近年の研究は,そうした考えに反する多くの結果を示しています。すなわち,私たちの行動の多くは,無意識な心のはたらきによるのです。それは,潜在認知(潜在記憶,潜在学習,サブリミナル知覚),社会的認知の自動性,無意識思考(注意なしの熟考),身体化認知といった多岐にわたる研究テーマによって明らかにされてきています。

 一方で,意識は認知状態と無関係に生じるものではなく,意識的コントロールが私たちの認知を変えることもおそらく間違いありません。こうした認知過程の相互作用については,まだほとんど明らかにされていません。

 そこで,本研究プロジェクトでは,問題解決,推論,意思決定,概念・記憶といった高次認知機能において,無意識的な心がどのようにはたらき,どのような特性や特徴があるのか,また,そうした心のはたらきが,高次認知機能全体の中でどのような役割を担っているか,さらには,意識的なコントロールとどのように相互作用するかについて,実証的にアプローチします。

 本研究プロジェクトは,「高次認知過程における潜在性と意識的コントロール」(2010-2015)の後継プロジェクトです。潜在過程,環境,意識の3者の相互作用に重点をシフトしながら,高次認知の全体像を明らかにすることを目指します。

潜在ヒントを使った問題解決実験の様子

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参加研究者

実績等

論文

  • Hattori, M., Sloman, S. A., & Orita, R. (2013). Effects of subliminal hints on insight problem solving. Psychonomic Bulletin & Review, 20, 790-797. doi: 10.3758/s13423-013-0389-0

総論

  • 服部雅史・織田涼 (2012). 洞察問題解決における意識と無意識の関係性 日本認知科学会第29回大会ワークショップ:「高次認知処理の自動性とコントロール」 仙台国際センター 12月15日
  • Hattori, M. (2014). Subliminal problem solving: Dual processes of cognition and their interaction. 2nd New Paradigm Psychology of Reasoning Conference. École Pratique des Hautes Études, Paris, France. June 5.
  • 服部雅史 (2015). 潜在メタ認知:問題解決における非意識的情報の非意識的コントロール 服部雅史・鈴木宏昭(企画)シンポジウム:思考の意識性と無意識性 日本心理学会第79回大会 名古屋国際会議場  9月24日

認知的負荷の逆説的促進効果

  • 服部雅史・織田涼 (2013). 認知的負荷が洞察をもたらすとき:洞察問題解決におけるプライミングと二重課題の効果 日本心理学会第77回大会 札幌コンベンションセンター 9月21日
  • Orita, R., & Hattori, M. (2013). Unrecognized hints facilitate insight problem solving performance under dual task load. The 9th International Conference on Cognitive Science (ICCS 2013). Kuching, Sarawak, Malaysia. August 28.

意識的コントロールの逆説的抑制効果

  • Hattori, M., Sloman, S. A., & Orita, R. (2012). Effects of unrecognized hints and metacognitive control in insight problem solving. The 30th International Congress of Psychology (ICP 2012). Cape Town, South Africa. July 26.
  • 服部雅史・織田涼・西田勇樹 (2015). 潜在手がかりがアイデアを抑制するとき:遠隔連想における負の閾下プライミング効果 日本認知心理学会第13回大会 東京大学 7月5日
  • Orita, R., & Hattori, M. (2015). Individual differences in the use of cues during insight problem solving. The 37th Annual Conference of the Cognitive Science Society (CogSci 2015). Pasadena, CA, USA. July 23.
  • 西田勇樹・織田涼・服部雅史 (2015). 遠隔連想課題における潜在的手がかりと認知抑制 関西心理学会第127回大会 関西学院大学上ケ原キャンパス 11月8日

主な研究資金

  • 2015/4-2020/3 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究 (B) 15H02717「創造的認知の潜在性と意識的コントロール」(研究代表:服部雅史)16,120,000円

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