テーマ① 対人支援における<学=実>連環型(トランスレーショナル)研究の方法論

代表者: 松田亮三 (産業社会学部 教授 )研究期間: 2013/04 - 2016/03

方法論チーム 少子高齢化、家族の多様化、社会関係の複雑化のもとでインクルーシブな社会を追求していく際に、対人支援の課題は複雑化し、それに対する支援の方法も新たな展開を迅速にすすめる必要に迫られています。また、心理学・社会学等の人間諸科学など対人支援のあり方についての幅広い学術研究を対人支援の現場に生かすための仕組みは、学術研究の社会的使命への関心が高まっている中でますます重要になってきている。本研究テーマでは、このような諸科学を対人支援の現場への活用に意識的・体系的に結び付けていくための方法論、すなわち対人支援領域におけるトランスレーショナル研究のあり方を総合的に探求します。
 具体的には、以下の3つの領域において探究をすすめます。
 第1に、基礎研究から、新しい手法の導入・普及までを見通した、諸学の発展からの対人支援への研究の連鎖を明らかにすることを目指します。
 第2に、対人支援における研究の連鎖の実態をふまえて、より組織的・体系的・効果的に連鎖を促進するための方法論を検討します。連鎖促進的な活動の組織化をいかに行うかを、情報通信技術(ICT)の効果的活用も含めて検討していきます。
 第3に、少子高齢化に直面しているアジアの国として、日本・アジア諸国における新しい支援法の普及を効果的にすすめる方法を探究します。予見的支援、修復的支援、伴走的支援がどのようにおいて国内で普及したか、そこでの普及促進要因と抑制要因を探り、より促進的な方法論を検討する。さらに、アジア諸国での普及を展望するため、対人支援の手法が国境を越える際にどのような問題があるかを、アジア諸国の文化・制度等の差異が支援に及ぼす影響を明らかにしつつ、検討します。
 以上のような研究を、すでに国際的にも確立している医学分野におけるトランスレーショナル研究の成果を学び、対人支援の独自性を丁寧にふまえて、トランスレーショナル対人支援学方法論の構築をめざします。

2014年度の活動報告

 昨年度に引き続き、1)諸学の発展からの対人支援への研究の連鎖(トランスレーション)の展開がどのように展開していくか、2)対人援助における研究の連鎖の実態をふまえて、より組織的・体系的・効果的に連鎖を促進するための方法論として具体的にどのような取り組みがあるのか、3)そこでの効果的推進は何かについて、介護者支援等の具体的対人支援サービスの現場を念頭におきつつ情報を収集し、方法論的観点から検討した。  多様な方法論が検討されたが、特記すべきものとしては実際の支援に関する研究を推進している3チーム(予見的支援、修復的支援、伴奏的支援)との連携を行いつつ、特に国境・文化を越えた支援法の移転についての課題を検討したことがあげられる。また、近年注目されている量質ミックス研究方法論の理論的含意を検討し、個々人のライフ(生命・生活・人生)における個別性と支援活動の実践という普遍性のズレという観点からの考察を推進した。さらに、支援の現場と連携したアクション・リサーチについて、病院と連携して推進した。  これらの研究成果については、公開研究会開催・連続セミナー・学会報告等にて公表した。多様化する社会における政策を主題とした国際研究集会の開催や法と心理分野における東アジア(日中韓)の研究ネットワーク作り、などを行った。

2013年度の活動報告

 諸学の発展からの対人支援への研究の連鎖(トランスレーション)の展開がどのように展開していくか、対人支援における研究の連鎖の実態をふまえて、より組織的・体系的・効果的に連鎖を促進するための方法論として、具体的にどのような取り組みがあるのか、そこでの効果的な推進は何かを現場で生じる課題や実践に焦点を当てた方法論的検討を実施した。 具体的には,以下の課題に従事した。

(1)個人の実存とその支援の可能性を明らかにする方法論の整備
 個々人のライフ(生命・生活・人生)は、唯一無二のものであり、その意味で繰り返しを想起することはできない。ところが、支援という活動(社会実装は)、支援側の交換可能性を前提にすれば、繰り返しが想起可能なものである。これらの個々人のライフの実存と支援の質の相互作用を検討する方法論のひとつは質的研究法である。質的研究法を「実存主義―理念主義」、「構造把握-過程把握」の二次元で整理し直すことで,対人支援や実践における質的研究法の応用可能性について検討した(第5回対人援助学会、第3回国際文化心理学集会にて発表)。
 (2)〈学=実〉連携を目指した研究実践
  大学と地域社会が協働する形での研究実践をおこなうため,現代社会の抱える問題について,アプローチする体制づくりを推進した。例えば,地域社会(医療機関等)-大学間で研究協定の締結を行うとともに、その過程を検討した。また、大学から地域に向けて発信する情報発信サービス(ウェブ等)に関する検討も行った。クリアリングハウスやインターネット上で活発な情報発信を実施する研究者との研究会を開催することで,より地域密着型(あるいは地域住民参加型)の研究とその研究成果の公表について議論した。
 (3)国内外での研究交流
  国際学会・国際セミナーへの参加をはじめ,国外でのワークショップの開催および東アジア(日中韓)のネットワーク作り、外国語資料の翻訳作業等も実施した。国内で得られた知見を海外へ発信するための研究体制や海外で得られた知見を国内に向けて広く発信する仕組みを整備することで,国内外を問わない研究のグローバル化を推進した。

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