「投影ドラマ法」の臨床場面適用に向けた研究

代表者: 岡本直子 (総合心理学部 教授)   研究期間: 2010/04 -

本研究は「投影ドラマ法」の臨床場面適用を目指すものである。「投影ドラマ法」は、ミニチュアの舞台と人形を用いて1人の「表現者」(「表現する主体」の意味でこう記す)が即興劇を表現し、後で見守り手とともにそれを振り返るという手続きから成る、報告者が考案した技法である。本研究では以下の3点を目的とする。1)「投影ドラマ法」の特異性を知るため、「投影ドラマ法」がもたらす心的体験の特徴を既存の表現療法技法との比較も踏まえ明らかにする。2)「投影ドラマ法」適用に有効な対象を知るため、「投影ドラマ法」の表現の仕方(表現スタイル)に着目し、それとパーソナリティ傾向の関連性を既存の表現療法技法との比較も踏まえ明らかにする。3)グループでの「投影ドラマ法」の可能性と意義を探求するため、グループでの即興劇と振り返りが「表現者」にとってどのような体験となりうるかを継時的調査により事例的に検討する。

実績等

学術論文

  • 岡本直子「心理臨床の場における表現に関する論考-『ドラマ』という観点から」, 心理臨床学研究,25(4),444-453,2007(レフェリー有).
  • 岡本直子「心理臨床の場における『ドラマ』の意味-ミニチュアの舞台と人形を用いた縦断的調査の一事例に着目して-」,質的心理学研究,6,122-139,2007(レフェリー有).
  • 岡本直子「心理臨床学的視点での『ドラマ』の意味」岡本直子,地域文化論叢 別冊 心理相談室紀要,1,1-15,2006(レフェリー有).図書(単著)
  • 岡本直子『「ドラマ」がもつ心理臨床学的意味に関する研究』風間書房,368ページ,2008.

図書(分担執筆)

  • 岡本直子「『投影ドラマ法』の可能性-イメージの投影という観点から」『心理臨床における臨床イメージ体験』藤原勝紀・皆藤 章・田中康裕 編纂,創元社,392-402,2008.
  • 岡本直子「グループ・フィンガーペインティングにおける個の表現と他者との共存」『心理臨床における個と集団』岡田康伸・河合俊雄・桑原知子 編纂,創元社,238〜247,2007.

学会発表

  • 岡本直子「『投影ドラマ法』の治療的可能性と用具作成の試み」日本芸術療法学会第40回大会,明治大学,2008年9月.
  • 岡本直子「心理療法における表現の意味-『ドラマ』という観点から」(基調講演)ドラマセラピーフェスティバル,芸能花伝舎,2008年3月.
  • 岡本直子「臨床場面における表現に関する論考―『ドラマ』という観点から―」日本芸術療法学会第40回大会,明治学院大学,2007年10月.
  • 岡本直子「プロセスにみる投影ドラマの治療的意義-ミニチュアの舞台と人形を用いて」日本心理臨床学会第25回大会,関西大学,2006年9月.

主な研究資金

科学研究費補助金(若手B)


刊行物

立命館人間科学研究

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