研究プロジェクト

対人援助学の創造
研究会名 対人援助学の創造
研究課題 対人援助学の創造
-社会環境とコミュニケーションの機能分析・評価・援助開発-
研究体制
研究代表者 望月 昭 文学部教授 行動分析学
幹事 中村 正 立命館大学産業社会学部教授 社会病理学
村本 邦子 立命館大学応用人間科学研究科教授 臨床心理学
武藤 崇 立命館大学文学部助教授 行動分析学
藤 信子 立命館大学応用人間科学研究科教授 コミュニティ心理学
野田 正人 立命館大学産業社会学部教授 司法臨床論
星野 祐司 立命館大学文学部教授 認知科学
土田 宣明 立命館大学文学部助教授 高齢者心理学
研究目的(要約)
本研究は、ヒューマンサービスhuman servicesをめぐる新しい理念や指針の具体化を可能にし、立命館では手薄である臨床的実践を科学的に探求する研究分野ならびに拠点の開発をめざす。その中心は「対人援助学」の創造である。一般に何らかの介助あるいは介護の援助が必要な障害者、高齢者、多問題家族などに対する広義のヒューマン・サービスの実践においては、3つの作業過程が存在し、それぞれに固有のコミュニケーション様式が必要とされている。すなわち、1)多数派とは異なるコミュニケーションモードを持つ要援助者から直接的にそのニーズを共有するための「教授設定」に関する様式、2)のニーズを先送りすることなく「いま・ここで」実現するための新たな人的・物理的な「援助設定」を表現する様式、そして、3)その援助設定の恒久的な設置や新しい資源の開発を社会に要請する「援護設定」の様式の3つである。これらの3つのコミュニケーション様式は、ある特定個人(あるいはグループ)の援助やケアの推進の実践を効率的に推進する上で、相互に伝達可能な性質を持つことが不可欠である。しかし、これまで、それぞれのコミュニケーション様式は、次元の異なる個別ディシプリン(例:心理学vs社会福祉学)における独立した表現形式として別個に存在していた。それは「分担」とも言えるが、実践作業における相互に背反的な実態をも生み出してしまったのではないだろうか。そこで、対象個人(要援助者)の「自己決定にもとづく行動の選択肢の拡大」という基本的クリニカルケースワークの作業ユニットを中核にすえ、持続的に三者(教授・援助・援護)の連環的発展をもくろむことが必要であると考えられる。これを「社会臨床実践」として位置づけ、内外の援助機関と連携しながら問題解決型の臨床実践をおこなう社会実験を試みる(例:立命館大学生協と地域養護学校とのコラボレーションとしてのジョブコーチシステム、およびジョブトレーニングの研究。コミュニティカウンセリング的手法の導入、家庭内暴力対応の臨床設定、福祉サービスの第三者評価ならびにQOL測定方法の開発を社会実験的に試行する)。このための方法論を「社会環境とコミュニケーション」あるいは「行動福祉」と名づけ、その作業を効率よく行えるためのコミュニケーション形式を相互に関連させた実践的な対人援助作業を通じて確認・構築していくことが当研究の基本目標である。本研究の目的は、個人の「遅れ」や「歪み」を是正する臨床という狭い意味での対人援助(negative correct)を乗り越えることである。つまり、社会環境とコミュニケーションの機能分析(functional analysis)をとおして、既存の社会が有するコミュニケーションモードの修正による積極的アシスト(positive assist)を社会実験的なシミュレーションをとおして実行しようとするものである。
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