研究概要

1.拠点機関
  • 日本側拠点機関: 立命館大学
  • (ベトナム側)拠点機関: ハノイ師範大学
  • (中国側)拠点機関: 蘇州大学
2.研究交流課題名

東アジアの発達障害児のための治療教育プログラム開発に関する国際共同研究
(交流分野:障害児教育)
(英文):An international joint research on the development of a treatment and educational program for children with developmental disorder in the East Asia

3.採用年度

平成20年度(1年度目)

4.実施体制
【日本側実施組織】
  • 拠点機関:立命館大学
  • 実施組織代表者: 学長・川口清史
  • コーディネーター: 産業社会学部・教授・荒木穂積
  • 協力機関: 京都市発達障害者支援センター
  • 事務組織: 立命館大学研究部人文社会リサーチオフィス
【相手国(ベトナム)】
  • 拠点機関:ハノイ師範大学(Hanoi University of Education)
  • コーディネーター: Department of Special Education・Dean・Nguyen Yen Thi Hoang
  • 協力機関:ホーチミン師範大学(Ho Chi Minh University of Education)
  • 協力機関:ハノイ第一ホープセンター(Hope Center No.1 Hanoi)
  • 協力機関:タンマウ障害児学校(Gia Dinh Special School for Developmental Delay Children)
【相手国(中国)】
  • 拠点機関:蘇州大学(Soochow University)
  • コーディネーター: School of Education・Professor・Huang Xin Yin
  • 協力機関:上海星雨児童康健院(Shanghai Silent Angel Kinder Garden)
  • 協力機関:蘇州児童相談センター(Counsering Section of Suzhou Child Center)
5.アジア・アフリカ学術基盤形成事業としての全期間を通じた研究交流目標

 研究交流目標は、日本・中国・ベトナムの3か国の乳幼児期から青年期までを見通した発達障害児のための治療教育プログラム開発に関係している研究者とりわけ若手研究者の国際交流と国際共同研究体制の基盤整備である。本研究では、それぞれの国で取り組まれている①発達障害児の早期発見・早期対応プログラム開発、②発達障害児のための特別な教育のニーズ調査のすすめ方、③発達障害児の個別指導計画(IEP)の作成のための理論と実際などについて研究交流をすすめる。
早期発見・早期対応プログラムについては、各大学を拠点としつつ協力関係にある障害児センター・教育相談センターや地域(ハノイ師範大学は第1ホープセンターおよびハノイ市、蘇州大学は上海星雨児童院・蘇州児童相談センターおよび上海市、立命館大学は本学心理・教育相談センターおよび京都市)をフィールドに調査研究を協力しておこないその研究結果を中心に研究交流を深める。
特別な教育のニーズ調査に関しては、就学前と就学後に区分し、調査項目の共同化と国ごとの独自の課題の設定を行い、国柄や地域の具体的な教育ニーズの現状把握をおこなう。また、研究結果について国際比較を行い、各国の教育ニーズをそれぞれの国の障害児教育制度や生活支援制度と関わらせて分析する。
個別支援計画(IEP)に関しては、発達障害児(特に、自閉症)を対象に現在実施されている治療教育プログラムおよび個別指導計画の経験交流および新しい治療教育プログラムの開発をめざす。
本国際研究では各国の協力研究機関はいずれも治療教育施設との連携をもっており、研究開発と実践による目的の遂行と評価がスムーズに行える利点がある。

上記の研究目標を達成するためにセミナーを下記の通り計画する。セミナーを平成20年度から平成22年度の3か年間に6回開催する(各年度2回実施予定)。開催場所は、平成20年度(日本:立命館大学)、平成21年度(ベトナム:ハノイ師範大学)、平成22年度(中国:蘇州大学)を予定している。

平成20年度から平成22年度までの3年間の各年度の研究交流目標は以下の通りである。

【平成20年度】
平成20年8月18日~22日(予定)に開催される「第17回日本ベトナム友好障害児教育・福祉セミナー(ベトナム:ホーチミン市)」に参加し、研究交流を深める。また、研究協力機関であるヤーディン障害児学校を訪問しベトナムの発達障害児の早期教育の実際を学ぶ。その後ハノイに移動し、共同研究の打ち合わせと交流を行う。また、第1ホープセンターを訪問しベトナムの発達障害児の早期教育の実際を学ぶ。(平成20年8月17日~24日を予定)。
平成20年11月に第1回「東アジア発達障害児の治療教育プログラム開発に関するセミナー」を開催する(立命館大学、予定)。第1回目は各国で実施されている発達障害児の治療教育プログラム開発について研究交流を深める。あわせて、発達障害児の教育ニーズおよび家族調査の共同研究の打ち合わせを行い、国際共同研究をスタートさせる。(平成20年11月7日~9日または11月28日~30日の3日間を予定)。
平成21年2月または3月に第2回セミナーを日本(京都市)で開催する。ここでは、予備調査結果をもちより、本調査に向けた項目の修正、集計方法、分析方法など研究のすすめ方について検討する。また、日本側研究協力機関である京都市発達障害者支援センターを訪問し発達支援の実際を学ぶ。セミナーへは、日本開催であるので日本側の共同研究者、研究協力者が中心となって関係者や若手研究者の参加を積極的に求めて行きたい(平成21年2月22日~26日または3月6日~10日の5日間を予定)。

平成20年度の研究交流目標
平成20年度の研究交流の概要
【平成21年度】
平成21年度は本研究事業の2年目になる。今年度の研究目標は以下の通りである。
(1) 共同研究
共同研究として取り組んでいる「発達障害児の親支援のための調査」(3ヵ国国際比較研究)の先行研究を引き続きすすめていく。日本チームは、昨年度の先行研究をふまえ本研究に入る。中国チーム、ベトナムチームは先行研究をすすめセミナー等で報告する。3ヵ国の先行研究が出そろった時点(2009年11月の第4回セミナーを予定)で、比較研究を行い、本調査へとすすむ予定である。日本国内においても(研究者、留学生)、中国チームやベトナムチームと比較研究の作業チームを発足させる予定である。

(2) セミナー
平成21年度は、第3回「東アジアの発達障害児のための治療教育プログラム開発に関するセミナー」を6月2日から4日の予定でハノイ師範大学(ベトナム)で実施する予定である。また、第4回を11月中旬に同じくハノイ師範大学で実施する予定である。
セミナーでは、上記の国際共同研究「発達障害児の親支援のための調査」(3ヵ国の比較研究)に加えて「発達障害児の早期発見・早期対応プログラム開発」の実情の研究交流、「発達障害児の個別指導計画(IEP)の作成のための理論と実際」の研究交流などを柱に研究交流をすすめる。

(3) その他の活動
今年度に引き続き、上記セミナーに加え日本、中国、ベトナムの3ヵ国の若手研究者(大学院生を含む)の研究交流をすすめていきたい。当面、2009年8月および2010年2月の夏期休暇、冬期休暇の時期を活用して、3ヵ国の研究交流をすすめていく予定である。
また、3ヵ国が協力して現場の教員、指導者を対象としたワークショップの開催などを検討する。

平成21年度の研究交流目標
平成21年度の研究交流の概要
【平成22年度】
平成22年6月(予定)および12月(予定)に第5回および第6回「東アジア発達障害児の治療教育プログラム開発に関するセミナー」を開催する(蘇州大学、予定)。第5回セミナーでは発達障害児の教育ニーズおよび家族調査の国際共同研究の成果を中心に、第6回セミナーでは発達障害児のための個人別教育指導計画(IEP)を活用した治療教育プログラムの成果を中心にセミナーを開催する。

平成22年度の研究交流目標
平成22年度の研究交流の概要