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CEHSOC(医療・福祉エンパワメント)チーム



 医療・福祉における地域エンパワメントプロジェクト(Citizen & Community Empowerment in Health and Social Care Project:略称CEHSOCプロジェクト)では、医療と福祉に関連した住民と地域社会のエンパワメントを学術的に検討するとともに、実践の場面との連携を追求していきます。例えば、利用者の権限を高め意思決定を尊重することはもとより、医療・福祉に関わる利用者や地域社会の権限と力量を高めていくための諸方策と実践のあり方を検討していきます。  本プロジェクトには、5つの研究グループがあり、上記の目的を達成するためにマクロからミクロレベルの研究をそれぞれ行っています。1)医療・福祉エンパワメントを促す社会制度に関する研究、2)非営利・協同組織における組合員(会員)の「参加」の研究、3)地域エンパワメントに向けた地域福祉情報の活用に関する研究、4)男性介護に関わるエンパワメント・プログラムの開発研究、5)妊娠・出産に関わる当事者エンパワメントの研究があります。  本プロジェクトのこれまでの活動や今後のスケジュールについては、CEHSOCプロジェクトのホームページ(http://www.ritsumeihuman.com/hsrc/team/team09/)をご覧ください。

最近の活動状況
(2008年6月~9月)
【CEHSOCプロジェクト全体の活動】
 国際シンポジウム「健康権の再検討:近年の国際的議論から日本の課題を探る」の開催準備(2009年1月10日(土)立命館大学衣笠キャンパスにて開催予定、国連・元健康権に関する特別報告者のポール・ハント氏をゲストに招待)

【CEHSOCプロジェクト各研究グループの活動】
「医療・福祉エンパワメントを促す社会制度に関する研究」グループ
 1)日本の医療改革と地域・住民エンパワメントとの関連についての実態分析
 2)イギリスにおける住民・患者参加制度の文献・調査研究
 3)医療における消費者主義とエンパワメントに関する理論研究
 4)健康権をめぐる国際的議論状況の研究及び日本における健康権保障のモニタリング調査
 5)日本のがん対策に関する研究を、引き続き行なっている。また、この間いくつかの国際会議及びシンポジウムで関連テーマの報告を行なった。

「非営利・共同組織における組合員(会員)の『参加』の研究」グループ
 外部環境の変化に伴って「参加」がどのように変容してきたのかを明らかにし、外部環境に対応した新しい組織の組合員(会員)の参加の構成要素のモデル化を目指し、引き続き研究・調査を行なっている。

「地域エンパワメントに向けた地域福祉情報の活用に関する研究」グループ
 「要援護高齢者の援助拒否・社会的孤立・潜在化問題」に関する研究・調査を引き続き行なっている。
特に、
 1)地域包括支援センターの地域支援事業現状把握
 2)高齢者のうつ・自殺問題と介護予防事業について取り組んでいる。

「男性介護に関わるエンパワメント・プログラムの開発研究」グループ
 男性介護の実態や諸問題、支援のあり方を考えるため、研究者や学生、介護にあたる家族、支援者らが参加し、定例の公開研究会をこの間4回開催した。また、これまでの研究を通してできた男性介護者、介護専門職、ボランティア等の支援者、研究者など、男性介護者をめぐる問題に関心のある皆さんとのネットワークを活かしこの活動を広げるため、「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」を来年3月に立ち上げることとなり、9月に本研究会を開催し、東京の男性介護当事者グループや長野の支援者グループらと準備会を発足した。

「妊娠・出産に関わる当事者のエンパワメントの研究」グループ
 妊娠・出産期に必要とされる援助のあり方と、医療現場における「語り」の意味を再構築するため、医療が育児支援に関わることの意義と「語り」のもたらす効用について、当事者及び関係者への聞き取り調査を実施し、分析・検討している。