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学術フロンティアのコンセプト
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学術フロンティア「対人援助のための人間環境デザイン」  
1. プロジェクトの基本コンセプト
2. HSP(ヒューマン・サービス・プラットフォーム)
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学術フロンティア「対人援助のための人間環境デザイン」

 このプロジェクト研究は、文部科学省の学術フロンティア推進事業に指定された、大型プロジェクトです。研究テーマは、「対人援助のための人間環境デザインに関する総合的研究」です。事業年度は、2000年度から2004年度までの5年間で、立命館大学人間科学研究所を母体として学部を越えた多くの研究者や対人援助の実践者が参加しています。研究は、共通の情報基盤を構築するコアプロジェクトと個別のテーマをもつサブプロジェクトによって推進されています。

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1. プロジェクトの基本コンセプト

 高度先端化する科学技術、医療技術の発展、持続可能な地球環境の保全のあり方、少子高齢社会化のいっそうの進展という社会システム全体の変容は、新しい人間形成上の課題やコミュニケーション能力形成上の課題を提起し、対人援助活動をふくめた広い意味での人間の社会行動についての総合的な研究上の必要性と重要性を提起しています。
 とりわけ、こうしたシステム変容が新しいライフデザインの創造にプラスの方向で作用するというよりは、むしろ逆に人間形成や人間関係などさまざまな場面での負荷としてたちあらわれるに至っていることを看過することはできません。
 なかでも、教育実践、福祉サービス、医療と健康、人間関係、家族関係などという本来もっともヒューマンであるべき領域における問題現象の噴出という逆説的事態を生ぜしめるに至っていることに、学問研究の立場からも真摯な批判と反省が加えられるべきでしょう。人間をとりまく諸関係ならびに社会的行動に関する新しい学問領域の開発と充実が必要であると考えられます。
 一般に、欧米諸国では、そうした研究と教育は、「対人援助あるいはヒューマン・サービスの研究」として位置づけられています。わが国においては、こうした領域における諸実践の貴重な取り組みは、発達障害、生徒指導、心理臨床、介護や看護、福祉実践などの場において行われてきました。そして、それらの実践の基盤となる学問領域(ディシプリン)は、心理学、教育学、社会福祉学、社会学とよばれるものでした。しかし、上記したような、リアルな場で展開されている対人援助の諸活動の中から見いだされつつある課題に、効果的かつ本質的な対処を行うためには、従来の学問領域を越えた様々な「連携と融合」が必要であることは明らかです。その連携と融合の実現に対応する新しい実践的方法論の構築に向けて、科学的に研究し、洞察をくわえることは、少子高齢社会、成熟社会を迎えた現代における緊急課題であると言えます。
 本プロジェクトは、対人援助やヒューマン・サービスに対する基礎と応用の両領域の連携を軸に、人間行動に関する広い実践的な人間科学的研究の方法である「対人援助の科学」の構築をめざします。さらに、特定のミクロな対人援助関係における臨床的実践に加えて、小集団や家族などの集団援助関係、チームワークによるネットワーク型援助関係や様々な関係組織との連携を通じて、社会的資源、あるいは地域との間の効果的な調整や関係づくりのできるコンサルテーションやマネジメントを備えたパーソナル・ソーシャル・サービス、ヒューマン・サービスの実践的方法の構築実現をめざします。こうした様々な知の連携をとおして、広い「人間環境デザイン」を実践的に設計する対人援助の科学の形成を図ろうとしているわけです。

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2. HSP(ヒューマン・サービス・プラットフォーム)

 プロジェクトは、現在、コアプロジェクトといくつかのサブプロジェクトから構成されています。その中で、コアプロジェクトの課題は、HSPという情報空間の構築を通して、広義の「臨床の知」を、「研究と実践」、「大学と地域」、「研究者と学生」といった、関係者の間で知的共有財産化することにあります。
 このヒューマンサービス情報は、具体的には、以下の三つの内容を共有するためのものです。すなわち、1)直接的な対人援助の場面で実施されたケース記録の共有、2)物理的・社会的な新たな環境条件の設定や、援助者を援助することに視点をあてたチームケアやコンサルテーションの情報の共有、3)社会制度への架橋、社会資源のネットワーク化や新たな援助資源の設定に対する対人援助実践の社会情報化、つまりアドボカシー(権利擁護)的な情報の共有、です。
 1)の情報内容として挙げた直接的対人援助場面での作業とは、具体的には、治療、教育、あるいは個別の臨床的行為やリハビリテーションなどの作業が代表的なものとして挙げられます。
2)で挙げた環境設定や援助者への援助は、これまでにはない新たな物理的・社会的な援助設定の導入によって、対象となる個人のQOLの向上や集団のエンパワメントをはかるものです。
3)に挙げた作業は、そうした新たな援助設定を、恒常的に社会に布置していくための要請行為です。
 上記の3つの層に含まれる作業は、単に分担的関係を相互に持つのではなく、連続的で有機的な作業連環の中で、それぞれの機能を将来に向けて更新・進化させていくという発展的な連携の中で位置づける必要があると考えています。
 HSPは、これら三層の情報を共有するために関係者が自由にアクセスできる情報空間です。この電子情報空間を通して、個々の対人援助実践に埋め込まれている臨床の知を、単なるケース記録以上のものとして可視化させ、援助者の援助や援助システム構築を射程に入れた「人間環境デザインへのナレッジ・マネジメント(知的共有財産化)」を行うことができると想定しています。このHSPに、各サブプロジェクトで蓄積された対人援助情報が蓄積されることとなります。
 HSPのロゴマークは、上記の3つの作業を、それぞれ「教授」(instruction)、「援助」(assist)、「援護」(advocate)とし、その有機的連携をめざす当プロジェクトの基本コンセプトを表したものです。

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立命館大学 人間科学研究所 ヒューマン・サービス・プラットフォームningen@st.ritsumei.ac.jpまで。