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「インクルーシブ社会に向けた支援の<学=実>連環型研究」プロジェクトより
「「社会的包摂に向けた予見的支援の研究」より高齢者支援の取り組みから」

筆者: 土田宣明 (文学部・教授)   執筆: 2014年 3月

高齢者支援のプロジェクト

高齢者支援(認知リハビリテーション)の風景

 大学という場を地域資源として,高齢者支援の取り組みを実施し始めて7年経過した。プロジェクト名は「高齢者プロジェクト」「高齢者支援チーム」「予見的支援チーム」と,その名称も変わってきた。ここでは,この7年間の取り組みの中で感じた,個人的な感想を述べさせていただき,大学という場を活用したプロジェクトの特徴について振り返ってみたい。
 まず,我々の高齢者支援プロジェクトの特徴はなんだったのか。それは「組織」にあったように思う。吉田甫教授,大川一郎教授(現・筑波大学教授)を中心として,このプロジェクトは立ち上がった。しかし,実質的な運営を担ってきたのは「運営委員」と呼ばれる方々であった。教員側は,外部予算を獲得し,スーパーバイズ的な役割を担当してきた。運営委員の方々抜きにしては,このプロジェクトの維持・発展は考えられなかったといっても過言ではないだろう。6-7名からなる運営委員の方々が「扇の要」として機能してくださった点が大きい。

運営委員の役割

 その運営委員は多士済々の顔ぶれであった。中心メンバーの多くは,社会人入試で大学や大学院に入ってこられた方々であり,心理学や対人援助学の修士の学位をお持ちである。現在,大学で講義されたり,臨床心理士や介護認定委員,保健師,また市会議員として活躍されている。このように,専門的な知識や技量をお持ちの方が,各自のお仕事の傍ら,プロジェクトの開始時から変わらず,ご参加・ご尽力下さっている。
 ある意味で,この人員配置は軌跡的なのかもしれない。この運営委員の方々が教員の意向をくみつつ,参加者やボランティアの方々の要望にも答える。まさにプロジェクトを切り盛りして下ったことがプロジェクトの維持・発展には欠かせないものであった。

大学を地域資源として活用するには

 このように活動を振り返ってみると,大学という場を地域資源として活用するためには何が重要なのかがみえてきたように思われる。結論からいってしまえば,「人」であろう。もちろん,外部予算を獲得し,大学の中で活動の「場」が提供されることは必要条件なのだが,十分条件ではなく,それだけではプロジェクトは単発的なものに終わってしまう。「扇の要」となる人材をいかに育成するか,このあたりに,大学を地域資源として活用するプロジェクトのポイントがあるように思われる。
 われわれの取り組みも,奇跡的な人員配置で始まったが,後継者の育成には苦労している。これからの大きな課題として認識しているところである。

参考動画

  • 大学側の取材に基づく,活動風景の動画がYouTubeにて公開されています。ご参照ください。

認知機能の低下を食い止め・改善する高齢者学習支援活動

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