エッセイ
アメリカ民主主義の垣間見旅行
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| 朝野 浩(教職教育推進機構 教授) |
私が所属している日本支援教育実践学会JASENが,2007年に文部科学省研究委託『先導的教育情報化推進プログラム』の指定を受け,e-iep(Web上における保護者や関係者が共同で作成出来る個別の指導計画システム)の研究開発を行ってきました。そのためアメリカでの小学校及び高等学校でのIEPの運用実態とPCの活用状況視察を行うために,初めてのインターネットによる不安だらけのeチケットの飛行機の旅になりました。
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| 支援者の家の芝生にオバマ大統領候補のポスター | これが一人前のサンドイッチ |
視察の最中に感じたことは,障害の捉え方が,我が国と相当違うということです。例えば,日本商社マンの子弟のための日本語教育もSENであり,LD等の子供の教育もSENであるのです。背景にあるダイバーシティ,メイフラワー号に始まる移民による多様な民族,多様な文化,多様な生活スタイルや考え方などのを踏まえて相互の共通理解を図るために最低限のスタンダード・ルールを決めることが民主主義の原点であり,それを包括した中で障害者の権利獲得・擁護のためにスタンダード・ルールとしてのIEPが成り立っていると思いました。限定された医学モデルによる捉え方よりも日常生活上における「困り」を生きる上での障害(バリアー)と捉え,これを改善克服する手段を講じること―スタンダード・ルールこそが「差別解消=権利擁護」となると考えているのではないでしょうか。アメリカにおける民主主義とは,イギリス人の考える「対話や討論による解決」や我々日本人が考える「多数決による合意」とは違う,公民権運動の獲得・発展・展開―スタンダード・ルールの確立そのものではないかと滞在中のでき事に遭遇する度に強く思うようになりました。一週間というハードな視察旅行でしたが,サンドイッチの写真のようにスケールが大きく,包括するような教育制度が一日でも早く実現でき,障害の有る無しにかかわらず子どもたちが幸せに暮らせる日本の民主主義も成熟することを願わずにはいられない暑い夏でした。
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